まじそんけいにあたい(仮)

ティーの憤懣やるかたねえ

エレクトーン

ある程度指が動いてくるようになると自分で音作ったりアレンジ譜書いたりと楽しみの幅が広がってくるんだけど、やっぱりエレクトーンの一番面白い要素はそこだと思う。私の先生はよくそれを絵画の写しに例えてた。

白い皿の上に乗っている赤いりんご

「これらを写しなさい」と言われる事が、すなわち「原曲をアレンジしなさい」の意とイコール。まず仕上げを考える。油絵か、色鉛筆か、絵の具か、墨か、パッチワークか、写真か、切り絵か、とかそんな感じ。アレンジに置き換えると耳コピのままか、ジャズか、トランスか、オーケストラか、ポップスか、みたいな感じ。仕上げが決定したら次は配色。見た通り白と赤、黄色とオレンジ、黒と緑、青とピンク、その他無限の組み合わせが考えられるけど、それはエレクトーンのレジストを指す。バイオリンか、コズミックか、クラリネットか、コントラバスか、エレキギターか、シンセサイザーか・・言わずもがなスタンダードな音の種類は他にも大量にあるけれど、基本的にレジストは上鍵盤で3つ、下鍵盤で2つ、ベース(左足)で2つの登録と移動も出来るし*1、もっと弄れば1つのレジストで4つくらいいっぺんに出せるからあのパネルの事をよく先生はパレットとも言っていた。それを音量やビブラートや色々なエフェクトを弄って一斉に鳴らした時のバランスを整えて、ドラムを打ち込んで、それに合わせながら演奏して、曲の写しもといアレンジが完成。初期の頃はどうしても原曲に似せたくて耳コピに近いものになるけれど、必ず途中で飽きが来るからテンポを変えたりリズムパターンを変えてマーチングやらタンゴやらボサノバやらサンバでノリノリになったり、ワルツでしっとりしてみたりする。更に物足りなくなって、ピアノ譜を弾いてたけどそこにピチカートベースとアコーディオンいれてヨーロッパ調にしてみたり、トランペットとホルンと濃いストリングスで無駄に盛大にしてみたり、全部エレキ系の弦楽器でまとめたり、バイオリンソロvsハープソロとか、テナーサックスとジャズピアノとか、知らぬ間にアレンジがポコポコ生まれている。鉛筆でデッサンしてたけど飽きたからインクぶちまけた、みたいな。その作業が恐ろしく楽しいから1つの曲で何ヶ月も留まって色々と遊べる。
何が言いたいのかというと、その楽しみを知っているから私は東方アレンジが三度の飯より好きなんだってこと。FFシリーズのアレンジも好きだけれど、やっぱりコピーや音色を脚色しただけのような印象のものが多い。勿論それらも格好良いし綺麗だしいくら聴いても飽きないけれど、東方アレンジはそこで終わってないところが良い。凄く良い。「いや原曲わかんねーよ」て叩かれるものもあるくらいそもそもアレンジの幅が大きいし、同じ曲なのにこんなにも違うのかって思わせてくれるものが多いから。自分で作るとどうしても音やテンポの好みというか個性が偏りがちになるから尚更。そんなわけでもう私のiPodの70%が東方アレンジに占拠されて大変だよって話。

*1:最新の機種はもっとあるらしい