まじそんけいにあたい(仮)

ティーの憤懣やるかたねえ

地元

子供の頃、隣の空き地に一軒家が建つのが嫌だった。友達の家の隣に美容室が建つのが嫌だった。松林にプレハブが置かれるのが嫌だった。公園から苗木が刈られるのが嫌だった。汚い道が綺麗に舗装されていくのが嫌だった。幼い頃に目に飛び込んできていた風景が少しずつ変わっていくのがとにかく嫌だった。なのに、新しい建物の匂いが好き。図面を見るとわくわくする。新しいプロジェクトが始まると見に行きたくなる。完成予定パースと竣工したそれを見比べてニヤニヤしている。そして今、最寄り駅の再開発を自分の会社が精鋭を集めて全力で進めている。仕事後にその現場に行って図面と経過写真を見せてもらって不覚にも感動してしまった。自分が育った街の最寄り駅が見たこともない小奇麗な姿に変わっていくというのに。工事が進むにつれてたくさん心の中の矛盾が浮き彫りになる。でも今から生まれてくる子たちはきっと今の風景が当たり前になって、それもまたどんどん変わっていって、またその次もその次も同じ事が繰り返されてく。だからこそ、どんなに小さい建物でも責任感じて携わらなきゃいけないなって痛感した。明日も頑張ろう。