まじそんけいにあたい(仮)

ティーの憤懣やるかたねえ

一級建築士<設計製図試験>合格Tips

学科試験の続き。同じくアドバイスではなくログ。
lyri.hateblo.jp
クソなげえから畳むわよ。

書いている人

  • ゼネコン施工管理入社12年目で初受験(当時)
  • 設計製図のみの学習期間:14ヶ月間(2019年8月~2020年10月)
  • 平日・土曜日平均2時間、水曜日8時間、日曜日9時間(学校)
  • 2~3歳児の子育て中、フルタイム残業ほぼなし
  • 設計製図試験結果<通学>

 

使用道具<最後まで使用したもの>

コクヨのビニール製図板

マグネットイラネ。重くなるだけ。製図用紙はテープで貼れ。マグネットプレート?指を切る。捨てろ。付属のバッグがめっちゃ優秀。外側のクソデカポケットに何でも入る。後で出てくるバッグインバッグも全部まるごと入る。バッグだけでも今すぐ買え。

クリアファイル(A2)

書いた図面と青ペン用で2枚購入。問題用紙やエスキス用紙はA4の大きさまで折って、普通のクリアファイルで管理。製図用紙と記述用紙は折ると美しくないので極力このクソデカクリアファイルに入れて持ち運んでた。

Tikkyの製図用シャーペン

かわいい。軽い。正直軽ければ何でもいい。ていうかネットで買うな。世界堂とかで現物試して買え。

三菱鉛筆シャー芯

これだけ。太さ0.5濃さBで固定。他の製品に比べて油分が多くて止めが効きやすい。教育担当に教えてもらって買ってみたらここまで違うんかってくらいキュッて止まってびっくりした。

消しゴム×2

プラス 消しゴム エアイン S 13g ER-060AI 40個箱 36-406×40

プラス 消しゴム エアイン S 13g ER-060AI 40個箱 36-406×40

  • 発売日: 2013/09/01
  • メディア: オフィス用品
何でも良い。これは私が大学時代に購入して未だ筆箱に入ってたやつ。数個持っておくと安心。試験会場で床に落とすと手を挙げて試験官から許可を貰わないと拾えない。時間ロスだめぜったい。

スティック消しゴム

細かい箇所消すのに地味に大活躍。字消板?指を切る。捨てろ。

マスキングテープ(ドラフティングテープ)

地味に高いので私は塗装屋からパクったモノタロウのマステを使用(パクるな)。長めに切って、製図板の角を巻き込むようにして図面をぱちっと固定。

バンコ

バンコ 三角定規45°テンプレートプラス

バンコ 三角定規45°テンプレートプラス

  • メディア: おもちゃ&ホビー
柱・寸法線・延焼ライン用。今年は何も言われなかったけど、いつどのタイミングでアウトになるかわからないので、これ1枚に頼るのは避けたい。

日建学院の三角定規

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最低限のテンプレートがついてる上に、バンコよりだいぶ小さくて小回りが利く。バンコで書くもの上記3つ以外の全てをこれで書いてた。バンコでも試したけど、デカすぎて扱えなくてタイムが落ちた。オレンジのところが持ち手になってて、簡単に取り外しできる。総合資格にもこういうのあるんかな?見たこと無い。

日建学院のテンプレート

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初期装備として購入したけど上記の三角定規内に主なテンプレはついてるから、大きい円を書かなきゃいけない時にしか使わなくなった。じゃあもうコンパスで良かったんじゃ・・。

バッグインバッグ

神かよ。もうひと回り大きいやつ使ってる人を学校で数人見かけて漠然と「あれいいな~」と思ってたんだけど、2年目の春頃にロフトをフラフラしてたら突然発見して即買った。ペンが固定できる、バンコがギリギリ入る(鋭利部が出てやや危険)、エスキス道具と製図道具の両方を収納可能、落としてもこれらが飛び散らない、買わない選択肢マジでない(ラッパー)
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電卓

押しやすかったらなんでも。ただしバッグインバッグに入る大きさ。

フリクションシリーズ

蛍光ペンオレンジピンク水色黄色の6色。サインペンはのみ。細ペンはの2色。途中から持ち替えるのが面倒になったので4色ボールペン1本で使い分けてた。


使用道具<途中で使用をやめたもの>

ドラパスの製図板

繊細すぎて1ヶ月も経たないうちにぶっ壊した。でも修理依頼の電話で「無償交換するし(試験前だし)とりあえず明日新しいの送ります」っていうやべえ神対応してくれて超絶感謝した。新しいのメルカリで売ってごめん。

グラフギア等の重いシャーペン

有名なものだとぺんてる製の持つところがちょっと太くなってるやつ等。無印のシャーペンも。硬くて重くて3時間半書いてられない指の筋力もたない腱鞘炎待ったなし。線種によってシャーペンの本数増やしていちいち持ち替えるのもやめた。RTAで勝つために1本に絞って力のかけ具合で線の太さや濃さを自由自在に変えられるように練習した。

シャー芯

ぺんてるアインシュタインシリーズその他多数。0.5の4B(壁・断面)、0.4のB(通り芯、壁下書き線)、0.5の2B(その他)でわざわざ使い分けてた。なぜオレはあんなムダな時間を……

マグネットプレート

血が出る。捨てろ。

字消板

ウチダ ステンレス字消板 A 1-820-0000

ウチダ ステンレス字消板 A 1-820-0000

  • メディア: おもちゃ&ホビー
図面が染まる。捨てろ。

ファイルスタンド

実際使ってたのは100均のL字型のプラ箱。製図道具と筆記用具を入れて、製図板の横に置く。大きな三角定規もすんなり入る。そしていつか必ず床にぶちまける日がくる。無数の蛍光ペンとシャーペンと芯が飛び散る。クソだ。今すぐバッグインバッグを買え。

クソデカ三角定規

ドラパス 三角定規 目盛なし 3mm厚 60cm 13037

ドラパス 三角定規 目盛なし 3mm厚 60cm 13037

  • メディア: おもちゃ&ホビー
メリット:通り芯が一気に書ける デメリット:それ以外

フローティングディスク

ドラパス フローティングディスク 13-900

ドラパス フローティングディスク 13-900

  • メディア: おもちゃ&ホビー
濃さ4Bのシャー芯使ってた時に図面が真っ黒になったから、せめて定規で汚さないようにとバンコや三角定規につけてた。隙間が生まれるから図面は綺麗になったけど、その隙間のせいで線がガックガクになってタイムが落ちたので全部外した。


課題ルーティン

学校で最新の課題を与えられている環境が前提。手帳に課題ごとにToDoリスト作って管理してた。仕事のこと全然書いてなくて笑う。

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エスキス(目標所要時間:2時間)

1.問題文の前に敷地図・地盤断面図を確認

  • どちらが北側か
    • 利用者向けの室を日当たりの良い南側に配置するための重要な条件
    • 大抵上が北側だが、引っ掛けで45度傾いてたり、南北逆になっている場合がある
  • メインエントランスとサブエントランスの方向を決める
    • 角地は2方向で分けると動線や駐車場が分散できる
    • 道路が1本の場合は周辺環境の賑わい状況や横断歩道の位置を見る
  • 高さ制限の検討
    • 法的制限は即失格なので必ずここで確認する
    • 敷地境界線からの距離3m、4m、5mと仮定して最大建てられる高さを出しておく

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  • 地盤断面で基礎を決める
    • 独立なのかべたなのかN値で判断
    • 地下水位等の条件で根入れ深さを稼ぐか地盤改良か経済的な方を選ぶ

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2.問題文を読みながらマーキング(通読しない派)

  • 数字系(建蔽率・床面積の合計)を転記
    • 後から視界に飛び込ませるために空いた箇所に転記
  • 床面積に算入するもの・しないものを把握
    • 問題文によって異なるので毎回頭を空っぽにして読み込む

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  • 「~を設ける」系:欠落すると減点になる項目
    • ○○スペース、○○コーナー、室数、テーブル、椅子等の家具
  • 「~に配慮する」系:補足で使えそうなキーワード
    • 公園への眺望に配慮する → 公園側に大きな開口部(窓)を計画
    • ○○への動線に配慮する → ○○へ繋がる廊下、EV、階段を計画
  • 外部や他室との繋がりは矢印で見える化
    • 「屋上庭園に直接出入りできるものとする」 → 欄外(屋上庭園)へ矢印
    • 「エントランスホールに隣接させて計画する」 → エントランスホールへ矢印

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  • 大部屋の面積をざっくり算出
    • 3桁の約面積は±10%の具体的な数値を計算してメモ
    • 「適宜」表現の室は利用者人数等から逆算してメモ

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  • 駐車場・駐輪場・広場等を転記
    • 前述の建蔽率等と同様に、視覚で捉えやすくするために転記
    • 形や広さ指定の転記(直径5mの円が1つ以上入るスペース ⇨ ○5m)

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  • 留意事項の補足事項に使えそうなキーワード
    • 自然採光・自然通風 ⇨ 建物南側、廊下の先端、最上階にトップライト
    • 日射の遮蔽 ⇨ 南側に水平ルーバー、東西面に垂直ルーバー
    • 設備機器の搬出入及び更新 ⇨ 外部に面して設備室や機械室を計画 等

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  • 要求図面で重複する項目はマークしない
    • 寸法、室名、床面積、外部施設(駐車場や広場)は図面を仕上げていくプロセスの中で書いて当たり前の項目なのでマーキングを省略

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  • 計画の要点(記述)にざっくり目を通す
    • OneNoteにまとめたキーワード(後述)があればマークして拾い上げておく

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3.建築面積・延べ床面積の算定
急に室の配置は始められないので、まずは提示されてる情報を順番に処理して建築可能なボリュームを出す。試験本番にも配布されるエスキス用紙(5mm方眼)に書き殴りながら進めていくわよ。

建築面積計算
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敷地内に計画しなければいけないもの
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  • 緑化スペース:50㎡以上(指定)3m×17m=51㎡ 7m×7.5m=52.5㎡
  • 車寄せ:エントランスホール隣接 道路幅3.5m以上 通路幅2m以上(想定)
  • 送迎用福祉車両1台:3.5m×5m(寸法指定)
  • 車椅子使用者用2台:3.5m×5m(想定)×2=7.0m×5m
  • サービス用1台:2.5m×5m(想定)
  • 駐輪場20台:(0.5m×20台)×2m=10m×2m(想定)

メイン道路が北側1本のみなので、これらは全て敷地の北側におさめる必要がある。


法的制限・条件

  • 東側道路の高さ制限:空き4mで高さ13.75mまで

(敷地境界から柱面までの距離3.5m×2+東側道路幅4m)×斜線勾配1.25=13.75

  • 有効採光確保のための空き算出:5m

(パラペット高0.6m+4階高3.5m-腰壁高1.1m+3階高3.5m+2階高4m)×2.5=4.2mなので、敷地境界線から5m以上空ければ2階でも有効な採光が確保できる。1階は共用部門や管理部門を想定したのでこの課題では算出せず。これは2020年度の課題内容から出題が濃厚だった法的採光が求められる室(デイルーム・宿泊室・静養室等)への減点対策。


以上から求まった敷地境界線からの必要空き
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  • 北面:車寄せ・駐車場・駐車場・駐輪場・緑化スペースで9m以上必要
  • 東面:道路高さ制限により空き4m以上必要
  • 南面:2階の法的採光確保のため5m以上必要
  • 西面:特に無いので2m以上必要

⇩敷地図に落とし込んだ建築可能範囲
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平面の条件だけで考えると、このような結果に。この検討をこの段階でやっておかないと、敷地いっぱい隅々まで使って計画した後に「駐車場入らねえええええええええええええ広場作れねええええええええええええええええええええ」みたいなことになる。(なった)



延べ床面積
以上から42m×20mで建築可能とわかったので、次は、この広さのまま4階建てが可能なのか延べ床面積をざっくり計算。
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⇨ 1632㎡(敷地面積)×3(容積率300%)=4896㎡(まで建てられる)
⇨ 840㎡(42m×20m)×4(階建て)=3360㎡(最大計画でこのボリューム)
⇨ 4896㎡容積率限度)>3360㎡(想定最大延べ床面積)
⇨ 計画可能です!!!!!!!!
※課題(設定地域)による容積率200%でギリギリになる場合、単純計算でオーバーしていても、屋上庭園、吹抜け、屋根、バルコニー等の、その課題上での床面積に算入しないものを多く設けることで計画可能になる場合もある。(とてもよくある)


よーし42m×20m×4フロア=3360㎡全部使っても余裕だぞ~!このままガシガシ計画すすめてこ~!車椅子がすれ違えるように廊下幅も広く取るしぃ屋上庭園も拡大しちゃお♡




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だめだよぉ^^
つまり法的にはOKだけど、この試験では失格なので、なんとか範囲内におさまるように色々と削っていかないといけない。上記の計算はざっくりとしたものなので、具体的な数値を出して対策を練っていく。


この課題で削れるもの(床面積に算入しないもの)

  • 2階(指定)の屋上庭園:屋外施設は算入しない
  • 3~4階の屋上庭園部分の床:屋上の上部に床があると屋上でなくなる
  • エントランスホールの吹抜け(指定):床面積における穴
  • 4階の1ユニット分(指定)以外:1ユニットはフロア半分程度の面積で計画可能

 

スパン割り
上記の削れるものを頭の隅に置きながら、建築可能範囲(42m×20m)内で柱が何本建てられるか、その柱から構成されるコマがいくつになるかを想定していく。

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  • 横方向42m:6m×7個=42m 7m×6個=42m 8m×5個+空き2m=42m 等
  • 縦方向20m:7m×2個+6m×1個=20m 等

複合スパン(666777等)は難しいのでシンプルに割り振ってから室を無理矢理はめ込んで行くほうが易しい。今回の縦方向は20m分しか作れないので仕方なく776としている。


スパン割りを踏まえた削れるものの面積(すべて想定値)
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  • 2階(指定)の屋上庭園:36㎡×2コマ=72㎡
  • 3~4階の屋上庭園部分の床:72㎡×2フロア=144㎡
  • エントランスホールの吹抜け(指定):42㎡
  • 4階の1ユニット分(指定)以外:18m×20m=360㎡

42m×20m×4階建て=3360㎡(最大計画ボリューム)(失格)
3360㎡-(72㎡+144㎡+42㎡+360㎡)=2742㎡(想定延べ床面積)




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おさまっとるやん。
延べ床面積のボリュームとスパン割りを交互にいじっていくと、なんとなくカッチリ当てはまるスパンが見つかってくるので、延べ床面積が範囲の中間値程度まで近づくように検討する。コマ辺の長さを1m変えるだけで、削れる面積が大幅に変わってくるケースもたくさんある。模範解答では無茶苦茶なスパン割りはしていないので、そこを目指しつつなるべくシンプルにまとめていく。


⇩他課題でのスパン割り検討(参考)
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各々を組み合わせると7m×6mスパン8m×8mスパンといろんなパターンが組める。6m×6mは難しいのでなるべくやるなと学校では言われてた。採用の決め手は要求室の面積の範囲や、前述の通り床面積算入の差し引き等いろいろあって、同じ課題でも人によってスパン割りから違ってたりするから他人の図面見るのもなかなか面白かった。



4.チビコマ
大まかな枠組みとスパン割りが出来上がったので、問題文の指定や、条件(階や場所)がすでに確定している室をチビコマに置いていく。


今回の問題文からの指定と条件一覧

  • 4階に居住施設を1ユニット(指定) ⇨ 残りの居住施設2ユニットを3階
  • 屋上庭園:2階の床レベル(指定)
  • 機能訓練室:採光が必要 ⇨ 2階以上 ⇨ デイサービス部門を2階
  • エントランスホール:敷地が平坦 ⇨ 1階
  • 地域介護支援センター:エントランスホールに隣接(指定) ⇨ 1階
  • レストラン:外部からのアプローチ(指定) ⇨ 1階
  • 管理部門:受付カウンター(指定) ⇨ セキュリティー確保のため1階
  • 受水槽室・電気室 ⇨ 性質上1階
  • ゴミ保管庫 ⇨ 収集の都合上1階

 
以上を踏まえると、

⇨3・4階:居住施設部門
⇨2階:デイサービス部門
⇨1階:管理部門共用部門

こんなゾーニングでいけそうな気がしてきたので、大きな室を中心にチビコマに当てはめていく。この作業が1番頭と体力と時間を使うので、他を切り詰められるようにエスキスの順序を反復して覚えたり、たくさん課題をこなして自分なりの進め方を開拓しておく。
係数計算でおさまりを確かめる手法は、全ての想定面積を出さなきゃいけないのが面倒で私は取り入れなかった。より安心してチビコマに移れるから初心者向けだけど、私は逆に焦ってしまってだめだった。初年度からやってれば慣れてたかも。

⇩この課題で書いたチビコマ
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うまくいかない時は何個もチビコマを書いて比較してプランを詰めていく。終わらないまま次工程(1/400)に進んでしまうと、修正する範囲が大きすぎて手戻りが大量発生する上に、消しゴムやフリクションの摩擦痕でエスキス用紙がガビガビになる。チビコマはどんな面積に対しても5mm方眼1マスを1コマ換算で書くので、思いつくままに短時間でたくさん書いて検討できる。

⇩他課題で何個も書き殴ったチビコマ(参考)
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5.1/400
チビコマでは大きな室しか検討できないので、より詳細な計画をするために1/400の縮尺で下書きする。

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この1/400を見ながら本番図面を書いていくからなるべく多くの情報を詰めておきたいので、最後に設備計画。問題によっては設備方式が指定されていたりするので、あらかじめ一覧表をエスキス用紙に作っておいて、穴埋め方式で計画していくと間違えなかった。埋まったら1/400に蛍光ペンでシャフト箇所を塗る。横引き配管が長くならないようにストンと最上階から1階まで真下に落ちているのが理想だけど、うまくいかなければ最低1スパン内の移動におさめる。学科の記事でも書いたけど、私は学科試験でろくに理解しないまま通過してしまったので、他の学生よりもここで時間を費やすことになった。近年は各シャフトの欠落は減点ではなく失格らしいので、しっかりマークしておく。

⇩「Ⅱ①要求図面」欄
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⇩設備計画一覧表
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6.見直し

  • 面積表の下書き
  • 1/400にルーバーや窓を書き込む
  • 問題文を一通り読み返す
  • 要求室の欠落が無いかチェックする
  • 要求室内の家具等の欠落が無いかチェックする
  • 面積や条件が満たされているかチェックする






そんな余裕があると思うなよ
先輩も先生も誰しもがこの段階で見直しをしろって言うんだけど、実際はいつも時間が足りねえんだわ!!!!!!!!模試でも本番でも出来なかったわ!!!!!!といってもここでの見直し作業は、図面を書き終えた後の本当に最後の見直しでいくらでもリカバー出来るから問題無い(と思いたい)。けどダブルチェックも絶対に有効だから、できるならやった方がいい。でもできないんじゃ・・できないんじゃ・・。

⇩この課題で使用したエスキス用紙全貌(右側半面は使用せず)
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方眼を無視して作図してはいけない(キリッ)


②記述(目標所要時間:1時間)

ラスト1時間で記述に切り替えるパターンの人も存在するらしいが、考えるだけで震えてくる。だってこれ1個でも空白で提出した時点で失格だから。
RTAは1年目の頃からすぐに1時間で書けるようになった。もともと流れ字で書くスピードも速かったし、人に文章で説明する作業は日頃から業務でもたくさんやっていたので。詳細な学習方法は後述。

⇩解答用紙(A3)
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トレスだけでも1時間かかるこの文字量とイメージ図(これも書かないと失格)。


③作図(目標所要時間:3時間半)

面積表 ⇨ 通り芯 ⇨ 寸法 ⇨ 柱 ⇨ 壁下書き ⇨ 扉・窓 ⇨ 壁本書き ⇨ 室名・面積・什器・補足:「Ⅰ2.建築物」 ⇨ 駐車場等の外部空間:「Ⅰ3.その他の施設等」 ⇨ 補足:「Ⅰ4.留意事項」 ⇨ 延焼ライン・防火設備・設備シャフト・断面図の切断位置・断面図・建築物の出入口・通路・植栽等・歩行距離・重複区間・屋根・庇・屋上設備スペースの位置:「Ⅱ1.要求図面」 ⇨ 全ての見直し

私は学校で教わるような線や文字をまとめて書く手順ではなくて、問題用紙の左上から右下に向かって順番にTo Doリストを潰していくように図面を埋めていった。それが1番RTAの結果が速くてミスも減点も少なかった。人によってそれぞれ合う書き方があるっぽい。

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さあゆっこ担のみんなこの図面がさっきの要求室の条件をどれだけ満たせているかチェックしてみよう^^
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⇧ここまで試験フロー
⇩ここから学習ルーティン


④採点

学校でもらえる採点用紙を使用。さすがに貼るのまずいと思うから画像は省略。

<今回の減点>

  • その他必要と思われる室:リネン室欠落 1室のみなので減点は無し
    • 要求室欄には書いてないけど気を利かせて計画するべきで、他の便所や倉庫等と合わせて3室以上欠落していると失格
  • 構造計画:片持ち(2.5m超え)の計画がある -3
    • 吹抜け内に大梁を書き忘れている

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  • 地域介護支援センター:エントランスホールに隣接していない -5
    • 問題文に「隣接させて計画する」の記載あり。室まで伸びている空間もエントランスホールとして計画したけど、採点者にこれがただの廊下だと判断されると隣接はしていないことになる
  • 地域介護支援センター:カウンター・相談室×2室の欠落 -2
    • 問題文に「カウンター、相談室(2室)を設ける」の記載あり、書き忘れ
  • 会議室:6人程度でない -2
    • 1人あたり2~3.5㎡と考えると12~21㎡が妥当なので私の24㎡はデカすぎる

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結果:48/60
欠落や書き忘れが直らないようであれば、マーキングの時点で最初に書き込んでしまえば忘れない。問題文に記載があるものは、その単語を見た瞬間にぐるぐる囲ったり強調する。高さ制限や設備計画の検討そのものを忘れてしまう場合は、問題用紙をもらってすぐにでかでかと「高さ」「シャフト」ってマーカーで空白に書いておくと忘れない。まずはその書き込む癖をつける。
学校の課題では満点を出すことも出来るけど、本番では必ずサプライズ要素があるので、それを考えるとまず普段通りのエスキスや作図は不可能なのね。だからパーフェクトは絶対目指しちゃいけないって教わった。ベストじゃなくベターなプランを時間内でまとめて、踏ん切りをつけて作図時間に移行するのが大事なんだと。エスキス力が高いほどこの踏ん切りが全然つかなくて、結局時間が足りなくて失格になるらしい。 ⇦盛大なフラグ


⑤青ペン

ここからはとにかく手を動かして体に試験建築を叩き込む手法。この試験は、いかに施主の要求(問題用紙)にクレーム(減点)を抑えて応えられるか、限られた時間内で様々な情報を1枚の図面上にどれだけ上手にまとめられるかの総合力を試されているものなので、意匠的な美しさや個性は採点に全く作用しないから、学校側が課題ごとに出してくる模範解答のような図面を書けるようになれれば勝ちなのね。
学科試験みたいに明確な正答は無いけど、書いた人の分だけ図面が存在するなかでも合格図面は似通うことが多いのから、そこが目標。学校でもいろんな手法を教わったけど、この青ペンと次の逆再生が1番効いた。いちいち頭で処理する前に、体が勝手に動くようになった。

<やりかた>
1.自分の提出した図面をスキャン・コピー ⇨ 1/200で出力(A3×2枚)
2.模範解答を上から青ペンで書き込む
3.問題用紙で要求室を確認しながら部門ごとに色を塗る
4.模範解答と自分の図面を比較して異なる箇所を確認する

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※すでにゆっこさんの提出図面とそっくりだけどこれは模範解答のトレスだよぉ^^


<習得できるもの>

  • サイズ感
    • 問題用紙のⅡ1.要求図面欄で「フリーハンドでもよい。」とされているということは、完璧な図面じゃなくても、採点者に諸々伝わりゃいいってことなので、図面の品質に支障がないものは極力フリーハンドでさくっと書いた方が圧倒的に時短になる。原寸(1/200)の模範解答を確認しながら、フリーハンドで家具や便器をトレスすると、体が勝手にそれらのサイズ感を覚えていく。特に便器はどんな課題でも必ず書くことになるから、初期から書けるようになっといた方が良い。他にはレストランやカフェのテーブルと椅子、ソファ、ベッド、ロッカー等が書く機会が多い。
  • ゾーニング
    • 学校でもこの色塗りはやらされるんだけど、「自分の図面に塗ってみましょう」のケースが多い。それだとただの確認作業でしかなく、採点してる段階と全く進歩がない。模範解答に色を塗ることで、どの部門がどの階におさまっているのかを改めて確認できる。これが簡単なのにマジで大事。全ての課題でこれをやっていくと、自分のエスキスでも体が勝手にそういうゾーニングをするようになる。

 

⑥逆再生

エスキスでは、チビコマ ⇨ 1/400 ⇨ 1/200(本番図面)というフローだったわけなんだけど、これらを模範解答で逆再生する。するとチビコマの段階で模範解答を書けるようになるという狙いの手法。

<やりかた>
1.模範解答1/200を1/400に変換
2.1/400をチビコマに変換

⇩模範解答1/200(A3の上半分)
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⇩1/400に変換(フリーハンド) ※5mm方眼
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⇩チビコマに変換 ※5mm方眼
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これを全てのフロアで書いて、比較できるように縦にまとめる。

⇩逆再生全体像
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エスキスの1/400と同じペン種と色分けにすることで、視覚で捉えやすくする。これはチビコマに変換するための模範解答の清書1/400なので、図面を書くための下書き1/400よりも圧倒的に記載情報が多くなる。

⇩A2の練習用紙に4課題分書けるので縦横方向共に比較しやすい
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<習得できるもの>

  • エスキス力
    • 模範解答を眺めているだけでは絶対に足りないし、なんのスキルアップにもならないので、手を動かしてトレスすることで模範解答のような室の配置やパターンを体で覚えていく。見た目以上に作成にめちゃくちゃ時間を要するので、学習した気になれるのも良い(実際なってる)。
  • 設備シャフトの配置
    • 特に給排水PS。最上階からどんな流れで1階に降りているのかがこの1/400によって明確に表現されるので、理解度が爆進みする。模範解答の図面にシャフトを塗らせる講師もいるんだけど、1/200だとデカすぎて目が滑るのね。だから絶対にここで学習するべき。1回やるだけで体が勝手に瞬時に設備シャフトを落とせるようになる。どんな用途の室にPSやDSが必要なのかが確認出来るのも良い。

 

⑦住戸・個室比較 ⑧車寄せ比較(受験時の課題による)

2020年度は特に施設内の住戸や個室が出題される可能性が高かったので、スパン割りに対して住戸(個室)・廊下・バルコニーがどんなパターンでおさまっているのかを抜き出して比較した。スケールは本番と同じ1/200で青ペンで書くことで、寝具や便所のサイズ感も同時に習得できた。

⇩住戸・個室一覧
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加えて、課題の性質から車寄せの出題が予想されたので、同様に1/200で抜き出してトレスした。エントランスの位置、通路幅、道路幅、駐車場の位置取り等を比較して、どの程度許容されるものなのか等を研究した。

⇩車寄せ一覧
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1年目では歩行距離がうまく確保できないことが多かったから、階段とEVの位置が利用者用とサービス用でどんなバランスで配置されているのか比較するためにチビコマで抜き出して色を塗ってまとめてた。当時の課題発表時に屋上庭園の出題予告があったから、それを抜き出してまとめても良かったと思う。受験年度の課題によって鍵になりそうな室や空間を抜き出すと整理整頓出来る。


⑨記述転記

記述は4ジャンル「計画」「法規」「構造」「設備」から大体10問前後出題されるので、それぞれの模範解答をOneNoteにカテゴライズしながら転記していく。これを繰り返すと、記述の内容からキーワードが浮き彫りになってきて、記述の問題文からもキーワードを拾えるようになる。
学科Tips記事でも散々書いたけど、学習(というかこれはもはや暗記)する際に記述内容を速やかに検索出来るようになるし、紙のノートだと順番が並べ替えられないので、電子ノートを積極的に使うと明らかに時短になる。また、転記の末尾に課題名を添えておくと、課題をまるごと見直したい際に一気に引っ張り出してこれる。

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⑩質問状

特に⑤青ペン⑥逆再生をやっていると、なんらかの疑問や質問が必ず出てくるので、それを模範解答のコピー(スキャンしてA4サイズで出力)に書き込んで、朝イチで先生にぶん投げておく。宿題と一緒に提出すると、良い先生ならこの質問状への解答も夕方にちゃんと返してくれるはず。メリットとしては、自分が何を理解出来てないのか見える化できる、疑問がまとめて解決する、先生の時間を奪うことなく細やかな指導を受けられる等いっぱい。情報整理のために、たまに見返したりも出来る(実際した)。

⇩実際の質問状(A4コピー)
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エスキスで迷った時の質問状
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このエスキスぶん投げはマジでめちゃめちゃ効いた。この質問に答えられるのは最新の情報で受験マネジメントしてくれる学校の先生たちだけだからね。


1年目不合格から2年目課題発表までの期間にやったこと

初年度で学科試験に合格(見込み)してから設計製図試験当日までは約2ヶ月しか無くて、学校側はとにかくエスキス!!!!!!ゾーニング!!!!!!作図時間短縮!!!!!!!しか言ってこなかったので、改めて1年目であやふやだった項目を洗い出して、課題ごとに比較・検証した。

階段

私の仕事は設計業務じゃないので、まず階高に対して何段必要なのかの計算方法と、最低寸法と、模範解答での表現がどうなっているのかを抜き出した。サービス階段と利用者階段と2種類あるので、それぞれのパターンを1/200で並べてトレス。最下段には検証結果とまとめを書いておいて、これを見ればいつでも解決できるようなワンシートとして保管した。慣れないうちは階段の早見表として重宝した。
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防火区画

なんとなーく理解してる気になっていた項目だったので、テキストを読み返して根本から理解した上で、これも全ての模範解答から抜き取った。2020年からは2019年の標準回答例に倣って、竪穴区画は全ての層で特定防火設備になったことで、ちょっと表現が楽になった。階段同様に、最下段に検証結果とまとめを書いてワンシート化した。
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補足事項

先生に「補足事項が全体的に弱いかも」と指摘されたことがあって、「じゃあ模範解答ではどんなことが書かれてるんだろう」と思い立って、これも全ての模範解答から補足事項のみを抜き取って、記述の学習と同じようにOneNoteに転記してカテゴライズした。

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⇩出揃ったら更に大まかにカテゴライズ
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これやった結果、大したこと書いてねーなということと、問題文に書いてあること(主に要求室欄と留意事項)を補足事項として落としてけばエエヤンということに気付けたので、その後はそれを踏まえながらマーキング出来るようになった。それまでは補足事項はどうしても最後にちょこちょこ書きがちだったけど、作図プロセス中盤に組み込むことで解決した。


まとめ

1年目落ちたことでブーストして最後までオーバーキル出来たなぁという感想です。試験後で2nd3rdが油断してるであろう期間に、曖昧だった内容のワンシート作れたのもかなり有意義だった。課題発表後は会社の厚意で毎週水曜日1日まるごと学習に費やせたので、1週間に平均2課題分の学習ルーティンをこなせたのも大きかった。
⑤青ペン⑥逆再生は、実は会社の教育担当から教わった学習法で、1年目の試験が台風で伸びたあとに伝授されたものなんだけど、一見簡単そうな作業だから本当に実力がついてくるのか半信半疑だった。でも言われた通りやったら飛躍的にエスキス力が伸びて、どんな課題でもそこそこまとめられるようになった。だから始めからやってたら1年目で受かってたと思うの。2年目初期にもいろんな先生に「なんで君落ちたの?」ってすげー言われたし。ということで受験生でここに辿り着いた人いたらぜひ実践して証明してね。報告待ってるわよ。



またこんなとこまで読んじゃったの!?暇か!?